2025.11.20グッドタウンをつくる担い手|

コロナ禍で大打撃を受けた飲食業界では、家呑みが定着。居酒屋などに酒を卸す業務用酒類卸業は軒並み暴風雨に晒されました。
そのような中、相談にいらしたのが川口市で地域密着で飲食業を支えてきたのが、旧・角田商店こと(株)カクタの角田欣哉社長です。
打てる手はすべてやりつくしたものの、先行きの見えない今後の方向性を見出すべく、よろず相談として弊社・齊藤を頼ってくれました。月一回の定期相談を一時期は中断したものの、「やっぱり頼るべきは…」と自然と足が向いたそうです。
当初は社長一人とマンツーマンでの相談から始め、こちらも中小企業診断士の先輩を仲間に引き入れ、2名体制で対応するように。
こんな良い相談を社長一人ではもったいないと、途中から幹部候補の社員を引き連れ、二人、三人と徐々に増え、今では3人対2人+金融機関の巣鴨信用金庫担当者のMAX6名で毎月欠かさず作戦会議を行うようになりました。
結論から言えば、支援のBefore/Afterは歴然。
売上が支援前比154%、粗利は161%になり、飲食店の閉店も続く中、新規取引先の開拓では月4~5件程度だったものが、2ヶ月で16件になるまで大きく成績を伸ばすようになりました。
今回の相談では、途中、若手社員の離脱危機も乗り越え、これを契機に社名も変更しよう、人事や体制も刷新しよう、ということで、私からは会社のコンセプトそのものをリブランディングしようと提案。従来の「業務用酒類卸業の~」を改め、『酒ビジネスのパートナー』として提案型の営業に切り替えようとテコ入れを行いました。
役員に就任した二人を、それぞれ営業(売上)と仕入(利益)という役割分担も明確化し、これまで社員一人ひとりが我流でやってきた個人商店型の営業スタイルから、社員同士で学び・助け合うチーム型の営業スタイルに変更。
仕入先のサントリーから東日本で2社だけ選ばれるデータ活用のモニターに選ばれたことを追い風に、データをフル活用した提案型の営業スタイルも徐々に定着してきています。
最初は頭を抱えていた角田社長も、今では明るく前向きに、役員に仕事をどんどん任せるようになり、今回のアサヒビールのランサムウェア被害の影響もチーム力で先読みして最小限の被害に抑えるほど、これまでの改革が取引先飲食店からの絶対的な信頼関係に繋がった好事例になっています。容赦なくズバズバ本質を突いたコチラの発言に、社長からは「鬼先生」と呼ばれてますが、面と向かって本音を言い合える信頼関係があるからこそ。
見事、数ある支援事例の中で、埼玉県よろず支援拠点を代表する事例に選出されました。
2025年の「彩の国ビジネスアリーナ」では、A0サイズの大きなパネルとなって事例紹介され、埼玉よろずの公式Webサイトにも事例紹介が掲載されています。
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