2024.10.20他問自答(LDNの考え)|
成果が出ない、行動が消極的、関係がギスギス、アイデアも出ない…。
やってもやっても悪循環に陥ってしまう。
このような経験は誰にでもあるはずです。
ダイエットや禁煙、楽器、語学学習など、一人でやるプロジェクトでもそうなるのですから、複数のメンバーが参加するプロジェクトなら尚更です。
地域でも組織でも、あるいはスポーツなどのチームでも、それぞれ育ってきた環境や考え方、行動特性も違うので、齟齬が生じるのは、ある意味あたり前の現象です。
では、このような悪循環を脱するには、どうしたらいいのでしょうか?
マサチューセッツ工科大学(MIT)の元教授であるダニエル・キム氏は、好循環の鍵を握るのは「関係の質」にあると指摘しています。
例えば、チームスポーツのサッカーでは、日本で活躍した選手が海外のクラブに移籍した際、なかなかボールをパスしてもらえず得点に貢献できないというケースがよくあります。しかし、コミュニケーションを重ねるに連れ、次第に信頼関係が構築できるようになると、パスをもらえるようになり、チームに貢献できるように大きく変わる。どこにパスをもらえばチャンスを広げられるのか、仲間に声掛けして要求したり、指示を出し合ったり、言葉や身振りを通じた意思疎通が欠かせません。
かつてイタリアに移籍した中田英寿選手が早く活躍できたのも、移籍前からイタリア語を学習し、言葉を通じて心理的な距離を縮められたのが大きいでしょう。もちろんサッカーの技術が卓越した選手であることは間違いありませんが、それ以前にコミュニケーションに優れていたことが、成果を出す近道になったことは間違いありません。
また、成果が出ないと、「なぜできなかったのか?」と犯人捜しに陥りがちですが、過去に焦点を当てるのではなく、「どうしたらできるようになるか?」と未来指向で考えると、建設的な議論が展開できます。
結果が出ない時は、ぜひ「関係の質」にテコ入れをするように意識しましょう。
そうすると、キム教授の言うように、思考の質→行動の質→結果の質が変わり、さらに関係の質が良くなっていく好循環が生まれます。