2025.08.28グッドタウンをつくる商品サービス|
先日、某市の地域ブランド品審査会に呼ばれ、審査員として参加しました。その地域を代表する商品を選ぶわけですから、選ぶ側も慎重です。
とはいえ申請者は、中小企業ですから、申請時点で完璧な商品が出てくるとは限りません。欠点を探して指摘するだけなら、机上の評論家でも、もっともらしいウンチクを並べれば、それっぽく見えます。
ただ、PRブランディングを専門とする実務家の当社に期待されていることは、「売れる商品」に育てること。
一人一人に毎年厳しい査定がある中小企業庁よろず支援拠点の専門家として、1,000本ノックの相談を7年間やってきて、断トツの結果を出してきた経験から、「あぁ、やっぱりそうか!」と再認識したことがあります。
それは、「売れる商品」には、必ず2つの出口があるということ。
「売れる商品」と「売れない商品」の明暗を分けるのは、この出口が大きく関係してきます。
一つは、しっかりと「売り場の出口」があること。
これがなければ、どんなに優れた商品でも、売れることはありません。
当然と言えば、当然ですよね。
マーケティング4Pの「Place」がないものは、他の3P、
「Product」「Price」「Promotion」が三拍子そろっても、「どこで買えるのか」わからなければ、販売チャンスを失ってしまいます。
そしてもう一つは、「メディアの出口」があることです。
これがなけば、どんなに自社発信を頑張っても、売れ続けることはありません。
お金をかけて広告出稿すれば、人の目には触れますが、作り手が自社商品をよく言うのは当たり前。
インフルエンサーを使っても、まったく同じ。「ギャラや何らかのメリットがあるんでしょ」と思われるだけ。
一度は売れるかもしれませんが、一過性に終わります。
SNSが浸透した現代では、買い手も、様々な情報源から欲しい情報を得ています。
そのような時代だからこそ、「利害関係のない第三者」の評価が重宝されるのです。
いかも一定の読者・視聴者を持つマスメディアなら、広く多くの皆さんに、一度に情報を届けることが可能です。
「じゃ、マスメディアに取り上げてもらえばいいんだ」となりますが、世の中そんなに甘くはないです。
そのネタに「ニュース価値」がなければ、広告と見分けがつかなくなり、メディア自身の信用を失います。
通常なら、編集会議で揉まれて、ニュース価値がないものは即ゴミ箱行きです。
そこで鍵を握るのが、【ストーリー】です。
安易な思い付きで作った商品でなければ、きっと試行錯誤した経緯があるでしょう。
その試行錯誤が深ければ深いほど、ドラマチックな「開発ストーリー」があるはずです。
ただ、作り手の皆さんは、特に職人気質の方ほど、職務として当たり前過ぎて、価値ある情報だと気が付かない。
そこを紐解き、「誰に、何を、どのように伝えたらよいか?」
その「ストーリー」を描くのは、一朝一夕にできることではありません。
そこを見つけ出し、盛り過ぎることなく、過不足なく伝えることが、PRブランディング専門家として腕の見せどころ。
特に地域のブランド品に育てる商品は、この経験を持つ実務家でなければできません。
皆さんの商品は、「2つの出口」を持っていますか?
そして、メディアが取り上げたくなるような「ストーリー」は言語化できていますか?
ぜひこれまでの自社商品やサービスを振り返り、届けるべき人に届けたい情報が伝えっているかを考えて欲しいと思います。